【随筆】ハイビスカス

随筆

我が家には一本のハイビスカスの木がある。
今年の夏、父方の祖母からもらったハイビスカス。

高校卒業後、大学進学を機に沖縄に出たわたしにとってハイビスカスは、見ると条件反射で沖縄を思い出させる。

毎日朝起きたら葉水をするのが日課。土が乾燥してきたらジョーロで水をあげる。

少しずつ蕾が大きくなり、やがて花を咲かす。
鮮やかな濃いピンクで大きく咲くハイビスカスの花は私をうっとりさせる。

だけど、
花が咲いた3日後に散ってしまう。

「散る」と言うより、「落ちる」。

花びらをきれいに巻きつけて花を閉じ、
花を落として、そのあとはじっくり時間をかけて種になる。

そして次の世代へ。

花が咲くとみんな注目するね。
けど、花がなくても、
あなたはハイビスカスだからね。

急がないでいい。
時間かけて栄養蓄えて、
準備ができたら咲けばいい。

きっと人生もそんなもん。

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